購入したマイホームに一生住み続ける人も多いですが、ライフスタイルや家族構成の変化に合わせて、住み替えを繰り返す人も少なくありません。
シニア世代になると、「足腰が痛いので、2階に上がれない」「子供が独立したので、部屋が余っている」「免許返納したので、便利なところに住みたい」「病院が近い方がいい」などの理由で、郊外の一戸建てから都心のマンションに住み替えたいという方が増えていくようです。
今回は、「一戸建て」から「マンション」への住み替えメリット・デメリットについて、考えていきたいと思います。
「一戸建て」から「マンション」への住み替えメリット
一戸建てからマンションへ住み替えるメリットとしては、「利便性の高い立地」「安心のセキュリティ体制」「断熱性能の高さ」「充実した共用設備」などが挙げられます。一戸建てにはない、マンション独自のメリットとしては、「建物の維持管理に手間がかからない」という点ではないでしょうか。
メリット1：利便性の高い立地
マンションの最大の魅力は「利便性の高い立地」が手に入るという点です。「マンション価値は立地で決まる」と言われることもあり、駅近で利便性の高いマンションは築年数が経過しても、人気が衰えません。
日々の暮らしに必要な施設（スーパー、医療機関、金融機関など）が徒歩圏内に揃っており、高齢になってからも安心して生活することができます。
メリット2：建物の維持管理に手間がかからない
一戸建ての場合、建物や庭の手入れや掃除など日々の維持管理を所有者自身がやらなければならないため、シニア世代にとってはかなり大変です
一方、マンションでは、共用部分の清掃・点検などは管理会社に委託することが一般的になっているため、様々な雑務から解放されます。毎月の管理費、修繕積立金等がかかりますが、シニア世代には住みやすい環境と言えるでしょう。
メリット3：安心のセキュリティ体制
マンション生活の魅力のひとつが、高いセキュリティレベルです。「共用エントランスのオートロック」「管理員の常駐体制（日勤、巡回の場合もあり）」「防犯カメラの設置」「警備会社のセキュリティシステム導入」など、一戸建てにはない「安心・安全のセキュリティ」が実現されています。
メリット4：フラットな室内空間
マンションの高層階に住んでいたとしても、通常はエレベーターを利用するため、高齢の方であっても特に問題はありません。しかも、室内は極めてフラットで、最近では水廻りの段差もかなり軽減されているので、足の不自由な方でも快適に生活することができます。
一戸建ての場合、「敷地の入り口に階段がある」「玄関の段差が大きい」「２階建てで室内に階段がある」など、日々の生活に負担となる「段差」が少なくありません。「段差」が大きな負担となる高齢者にとっては、マンションの方が楽に生活することができます。
メリット5：共用設備が充実
マンションの共用部には、「オートロック」「エレベーター」「宅配ボックス」「TVモニター付きインターホン」など、一戸建てにはない便利な設備が整っています。
さらに大規模物件では、「常駐コンシェルジュ」「24時間対応ゴミ置き場」「キッズルーム」「フィットネスルーム」など、生活を快適にする設備もマンションならではと言えます。
また、戸建てよりも建物自体の気密性や断熱性が高いため、室内温度を管理しやすく、快適に暮らすことができます。
「一戸建て」から「マンション」への住み替えデメリット
メリットの多いマンション生活ですが、共同住宅であるが故のルールや金銭的な負担がデメリットと考えられます。事前に十分理解しておきましょう。
デメリット１：管理規約・使用細則による制限
共同住宅であるマンションには、居住者全員が守らなければならないルールが存在します。マンションごとに「管理規約」「使用細則」として明文化されているので、入居前に必ず確認しておきましょう。
特に、ペット飼育や楽器演奏には明確な制限が設けられている場合がありますので、契約前の確認が必須になります。
デメリット２：管理費・修繕積立金の負担
一般的なマンションでは、管理組合を通じて、共用部分の管理を管理会社に委託しています。その費用負担として、「管理費」が毎月徴収されることになります。共用部の掃除やゴミ置場の清掃、窓口業務などが、管理費によって賄われています。
また、共用部分の修繕費用として、長期修繕計画に基づいた「修繕積立金」を毎月負担しなければなりません。「修繕積立金」が不足した場合、一時金が発生することもありますので、買い替えの際は、必ず確認しましょう。
駐車場スペースについても、マンションでは一定の駐車場料金が発生することになります。機械式駐車場やタワーパーキングでは、入出庫に時間がかかるなど、デメリットが指摘されています。
毎月の管理費と修繕積立金は、一戸建て生活には存在しませんが、実際には数年に一度、何らかのメンテナンス費用が掛かっているはずです。問題が発生した際にその都度負担するか、計画的に積み立てていくかの違いと考えることもできます。
デメリット3：隣接住戸の騒音問題
マンション独自の問題として、隣接住戸の騒音が挙げられます。上下左右に隣接住戸があるため、生活音に気をつける必要があり、一戸建て生活に慣れた方にとっては、窮屈に感じるかもしれません。共同住宅ということもあり、お互いがモラルをもって生活することが求められます。
便利で快適なマンション生活ですが、マンションならではのデメリットも存在します。メリット・デメリットを十分理解した上で、自分たちのライフスタイルに合いそうなら、一戸建てからマンションへの住み替えも検討してみましょう。
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