不動産を売却する前に要確認!売主の義務と責任について

不動産売却コラム

不動産を売却する際には、売主として果たすべき義務と責任について事前に十分理解しておきましょう。

2020年4月の民法改正により、売主の「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」と呼ばれる内容に大きく変化しました。また、土地・一戸建てを売却する際には、「境界明示義務」もありますので、注意が必要です。

今回は、不動産売却時に課せられている売主の義務と責任について解説いたします。

土地の「境界明示義務」について

土地・一戸建てを売却する際は、売主は買主に対し、土地の境界を明示する「境界明示義務」があります。

分譲マンションについては、事業主であるマンションディベロッパーが敷地境界を確定しているので、区分所有権を売却する際に、境界明示を求められることはありません。

具体的な境界の確認方法については、下記の通りです。

1.境界標と筆界確認書

売主は、買主に対し、現地にて境界標を指示して境界を明示します。隣地所有者との間で境界確認した際の覚書となる「筆界確認書」についても、併せて確認しましょう。

2.境界確定図

土地の境界をはっきりさせるためにする測量のことを境界確定測量といいます。隣地所有者と立会い、境界を明確にした上で、この測量に基づいて作成された図面を境界確定図といいます。

3.筆界特定制度

法務局が行っている筆界特定制度は、土地所有者等の申請により登記官が外部の専門家の意見を踏まえて公の判断として筆界を特定する制度です。

境界明示義務は、買主が境界線で隣の土地にいる人とトラブルにならないようにするためのものです。 境界が確定していない物件でも、売却することは可能ですが、境界未確定ということで、価格交渉の材料になってしまいます。 境界明示がしっかりされている物件であれば、買主も安心して購入を決められるため、売却できる可能性も高くなります。

近年では隣地所有者が高齢であったり、不明であったりすることで、境界の確定ができないトラブルも増え、一種の社会問題になってきていますので注意が必要です。

土地境界の確定には、費用と時間がかかりますので、信頼できる測量会社に早めに相談するようにしましょう。

民法改正により「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」へ

2020年4月1日の民法大改正により、「瑕疵担保責任」は廃止され、「契約不適合責任」が新たに規定されることになりました。

不動産を売却する際には、前述した「境界明示義務」にプラスして、「契約不適合責任」が課されることになります。

従来の「瑕疵担保責任」について

瑕疵担保責任の「瑕疵」とは、法律上何らかの欠陥があることを指し、「担保責任」は、瑕疵があった場合に相手方が負う法律上の責任のことを言います。

不動産においては主に次の4つの瑕疵が対象となっていました。

  • 物理的瑕疵:建物の雨漏り・シロアリ・家の傾き、土地の土壌汚染・地中障害物等
  • 法律的瑕疵:法令等の制限により取引物件の自由な使用収益が阻害されているもの等
  • 環境的瑕疵:近隣からの騒音、振動、異臭、日照障害、近くに反社会的組織事務所があり安全で快適な生活が害されるおそれが高いようなもの等
  • 心理的瑕疵:取引物件で過去に自殺や殺人事件、火災、忌まわしい事件、事故などがあり、心理的な面において住み心地の良さを欠くもの等

従来の民法では、買主は瑕疵を発見後1年間、売主に対し損害賠償の請求または、契約目的を達成できない場合は解除を請求できることになっていましたが、合意があれば変更可能な任意規定ということもあり、不動産売却では、売主は引き渡しから通常3ヶ月間、瑕疵担保責任を負うと定めることが一般的でした。また買い主の同意を得られれば、瑕疵担保責任を一切免責することも可能です。

「契約不適合責任」について

2020年4月の民法大改正により、「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」に変わりましたが、瑕疵担保責任の「4つの瑕疵」という概念については否定されたわけではありません。「当事者の合意した契約の内容に適合しているか否か」が責任発生の基準とされ、売主に求められる責任の範囲も広くなったという状況です。

従来、買主が売主に請求できる権利は、「損賠賠償請求」と契約の目的を達成することができない場合の「解除」の2つに限られていましたが、改正民法では、目的物の補修等を要求する「追完請求」と、代金を減額する「代金減額請求」が新たに追加されています。

「契約不適合責任」についても、契約当事者間の合意があれば内容を変更できる任意規定となります。そのため、従来の瑕疵担保責任と取り扱いが大きく異なることはありません。ただし、「追完請求」と「代金減額請求」ついては、具体的な適用事例がまだまだ少ないため、今後も注意が必要です。

また、売主の告知義務については、変わりはありません。売主が、契約内容に適合しないことを知りながら、その事実を買主に告げなかった場合には、合意による「契約不適合責任」の免責は認められません。この点についても十分に注意しましょう。

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